デジタル化・AI導入補助金で会計ソフトを購入|対象者や申請手順を解説

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  • デジタル化・AI導入補助金で、中小企業や個人事業主は会計ソフトなどを購入できる
  • デジタル化・AI導入補助金には5つの申請枠があり、補助金額や対象となるものが異なる
  • ITツールの費用は、デジタル化・AI導入補助金の交付が決定してから支払う点に注意する

デジタル化・AI導入補助金とは、中小企業者や個人事業主がITツールを導入する際にかかる費用の一部を国が負担してくれる制度で、会計ソフトの購入でも申請できます。この記事では、申請枠の種類や対象ソフトの探し方、申請の手順などについて解説します。

目次

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  1. デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)とは
  2. デジタル化・AI導入補助金の5つの申請枠
  3. デジタル化・AI導入補助金対象の会計ソフトの探し方
  4. デジタル化・AI導入補助金で会計ソフトを購入する手順
  5. 会計ソフトの導入にデジタル化・AI導入補助金を活用するメリット
  6. デジタル化・AI導入補助金の今後の事業スケジュール
  7. まとめ
  8. 更なる業務の効率化に!関連サービス記事

デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)とは

デジタル化・AI導入補助金とは、中小企業・小規模事業者を対象とした補助金で、自社の課題改善・業務効率化を目的にITツールの導入を行うと、経済産業省から補助金を受けられる制度を指します。

2026年度からは「IT導入補助金」から名称が変更され、AI機能を含むツールの活用がより明確に位置づけられました。

受けられる補助金の額は申請枠によって上限が異なり、通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型)・インボイス枠(電子取引類型)・セキュリティ対策推進枠・複数社連携IT導入枠に分類されます。また、補助対象者や補助額の下限・上限や補助率も区別されています。

デジタル化・AI導入補助金は会計ソフトも対象のため、経費の負担を軽減したいといった目的で経理業務のデジタル化を検討している場合は、申請を検討しましょう。その際は、どの申請枠なのか、対象者・対象ツールなどを理解したうえで申請する必要があります。

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IT導入補助金からの変更ポイント

デジタル化・AI導入補助金は、従来のIT導入補助金をベースとした制度であり、基本的な仕組みは大きく変わっていません。一方で、いくつかの点で制度内容が見直されています。以下では、IT導入補助金からの変更ポイントについて解説します。

参考:1月23日更新 【デジタル化・AI導入補助金2026】デジタル化・AI導入補助金2026の概要について

AI機能を有するツールの明確化

デジタル化・AI導入補助金では、AI機能を有するITツールが明確化されました。これによって、ITツール検索においてAI機能の有無による絞り込みが可能となり、AIツールであることが明記されるようになっています。

なお、AIツールとして扱われるには、IT導入支援事業者がAI機能を有するツールとして申請し、事務局に認められる必要があります。

2回目以降の申請に関する要件の追加

IT導入補助金(2022〜2025)で交付決定を受けた事業者が、デジタル化・AI導入補助金に再度申請する場合は、新たに一定の要件が追加されています。具体的には、交付申請の翌事業年度以降3年間の事業計画を策定し、その実行および効果報告を行うことが必要です。

主な要件は以下のとおりです。

  1. 事業計画期間において、1人当たり給与支給総額(非常勤を含む全従業員)の年平均成長率を物価安定の目標+1.5%以上向上させること
  2. 交付申請時点で賃金引上げ計画を従業員に表明していること

また、要件の適用外となるケースもあるため、詳細は交付規程を確認しましょう。

デジタル化・AI導入補助金の対象者

デジタル化・AI導入補助金の対象者は、中小企業・小規模事業者であることが要件となり、業種によって資本金や常勤の従業員数などに条件があります。対象となる業種の一例としては、以下のとおりです。

  1. 製造業
  2. 建設業
  3. 運輸業
  4. 卸売業
  5. サービス業
  6. 小売業 など

資本金や従業員数などの条件があるため、公式サイトで内容をよく確認しておきましょう。

参考:申請の対象となる方|デジタル化・AI導入補助金2026

デジタル化・AI導入補助金の補助額と補助率

デジタル化・AI導入補助金には以下のような申請枠があり、補助額や補助率が異なります。自社の導入目的や事業規模に応じて、適切な枠を選択することが重要です。主な申請枠と補助内容は、以下のとおりです。

申請枠補助額補助率
通常枠(1プロセス以上)5万円~150万円未満1/2以内
(令和6年10月〜令和7年9月の3か⽉以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇⽤している従業員が全従業員の30%以上であることを示した場合の補助率は、2/3以内)
通常枠(4プロセス以上)150万円~450万円以下1/2以内
(令和6年10月〜令和7年9月の3か⽉以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇⽤している従業員が全従業員の30%以上であることを示した場合の補助率は、2/3以内)
インボイス枠
(インボイス対応類型)
50万円以下中小企業:3/4以内
小規模事業者:4/5以内
50万円超〜350万円以下2/3以内
※補助額50万円超の際の補助率は、
補助額のうち50万円以下については
3/4(小規模事業者は4/5)、
50万円超については2/3
インボイス枠(電子取引類型)下限なし~350万円以下中小企業・小規模事業者:2/3 以内
その他の事業者等:1/2 以内
セキュリティ対策推進枠5万円~150万円小規模事業者:2/3以内
中小企業:1/2以内
複数社連携IT導入枠補助対象経費によって異なる

参考:デジタル化・AI導入補助金2026

デジタル化・AI導入補助金の5つの申請枠

デジタル化・AI導入補助金には、5つの申請枠があります。通常枠やインボイス枠など、それぞれ要件や補助金額などが異なります。それぞれどのような違いがあるのか、以下で具体的に解説します。

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通常枠

通常枠では、中小企業・小規模事業者が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入するための経費を補助してもらえます。具体的な対象経費としては、ソフトウェア購入費、クラウド利用費が挙げられます。

機能要件によって補助額が異なり、1プロセス以上の機能要件では補助額5万円~150万円未満、4プロセス以上では補助額150万円~450万円以下となっています。

補助率については1/2以内ですが、令和6年10月〜令和7年9月の3か⽉以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員数が全従業員の30%以上いる場合は、2/3以内になります。

参考:通常枠|デジタル化・AI導入補助金2026

インボイス枠(インボイス対応類型)

インボイス枠(インボイス対応類型)は、中小企業・小規模事業者等がインボイス制度に対応した会計・受発注・決済の機能を有するソフトウェア・PC・ハードウェアなどを導入するための経費の一部を補助するものです。

補助額は50万円〜350万円以下までの範囲で設定されており、補助額によって補助率が異なります。特に補助額が50万円を超える場合は、会計・受発注・決済のうち2つ以上の機能を有することが要件となります。

参考:インボイス枠(インボイス対応類型)|デジタル化・AI導入補助金2026

インボイス枠(電子取引類型)

インボイス枠(電子取引類型)は、インボイス制度に対応した「受発注」の機能を有するソフトウェアの導入にかかる経費を補助するものです。インボイス制度へスムーズに対応し、企業の労働生産性を向上させることを目的としています。

補助額は350万円以下が最大となっており、下限はありません。また、対象者は中小企業・小規模事業者等および受発注の取引を行っている事業者です。

参考:インボイス枠(電子取引類型)|デジタル化・AI導入補助金2026

セキュリティ対策推進枠

セキュリティ対策推進枠は、デジタル化が進む一方で、サイバー攻撃などが巧妙化しているといった、近年の情報セキュリティ面での潜在リスクを回避するために、ITツールやサービスを導入した場合に補助を受けられる制度です。

補助額は、5万円〜150万円で、補助率は小規模事業者で2/3以内、中小企業で1/2以内となっています。また、IT導入支援事業者が提供し、かつ事前に登録が必要なITツール「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているサービスが対象です。

参考:セキュリティ対策推進枠|デジタル化・AI導入補助金2026

参考:サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト|独立行政法人情報処理推進機構 IPA

複数社連携デジタル化・AI導入枠

複数社連携IT導入枠は、業務上繋がりのある「サプライチェーン」や、特定の商圏で事業を営む「商業集積地」における複数の中小企業・小規模事業者が連携して、ITツールを導入するための申請枠です。

対象経費は会計・受発注・決済の機能を有するソフトウェアなどで、最大補助額は3,000万円以下となっていますが、条件によって補助額は異なるため確認が必要です。また、対象者は商店街振興組合・商工会議所・商工会・事業協同組合などとなっています。

参考:複数社連携IT導入枠|デジタル化・AI導入補助金2026

デジタル化・AI導入補助金対象の会計ソフトの探し方

デジタル化・AI導入補助金の対象となる会計ソフトは、公式サイトの検索ページから確認できます。IT導入支援事業者により登録されたITツールをチェックでき、補助対象となるソフトを探すことが可能です。

検索ページでは、対応希望エリアやツール名、要件・目的・申請枠などの条件を指定して絞り込みができるため、自社のニーズに合った会計ソフトを効率的に見つけられます。

そのため、導入を検討しているソフトやツールがある場合は、補助対象かどうかをあらかじめ確認するのがおすすめです。

参考:ITツール・IT導入支援事業者検索(コンソーシアム含む)|デジタル化・AI導入補助金2026

デジタル化・AI導入補助金で会計ソフトを購入する手順

デジタル化・AI導入補助金を利用して会計ソフトを購入する手順について解説します。事前準備から交付申請、導入後および補助金交付後について、手順を項目ごとに確認してから会計ソフトの導入を行いましょう。

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1. 補助対象の事業者に該当しているか確認

デジタル化・AI導入補助金の交付申請を行う際は、自社が補助対象の事業者に該当しているか確認が必要です。補助対象は基本的に中小企業であり、業種によって資本金や従業員数の条件が設定されています。

補助対象となる中小企業の業種は、飲食・宿泊・卸・小売・運輸・医療・介護・保育等のサービス業・そのほか製造業や建設業などです。

個人事業主・NPO法人も対象になる

デジタル化・AI導入補助金は、基本的に中小企業・小規模事業者が対象です。ただし、要件を満たすことで個人事業主やNPO法人も対象となります。個人事業主の場合、小規模事業者の定義に該当していれば補助対象となります。

小規模事業者の主な要件は、以下のとおりです。

  1. 常時使用する従業員が5人以下の商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)
  2. 常時使用する従業員が20人以下のサービス業のうち、宿泊業・娯楽業
  3. 常時使用する従業員が20人以下の製造業その他

上記以外にも、個人事業主に関わってくる要件は複数あり、交付規程に記載されたすべての要件を満たしている必要があります。なお、NPO法人も特定非営利活動法人として中小企業の定義を満たしているため、補助対象となります。

参考:デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領 インボイス枠(インボイス対応類型)

2. IT導入支援事業者・ITツールを選択する

デジタル化・AI導入補助金で会計ソフトを購入する際は、対象の会計ソフトを選定する必要があります。対象の会計ソフト、またIT事業支援事業者は、上記で解説したデジタル化・AI導入補助金の公式サイトから簡単に検索ができます。

導入を検討している会計ソフトがある場合、ツール名を入力することで補助対象のITツールなのか確認できます。IT導入支援事業者は、できるだけ実績の多い業者を選定すると、評価の高い事業計画を作成することが期待できます。

3.「gBizIDプライム」のIDとパスワードを取得する

「gBizIDプライム」とは、補助金の申請時に必要な、法人代表者や個人事業主の本人確認後に発行されるアカウントを指します。デジタル化・AI導入補助金の交付申請を行う際も、gBizIDプライムアカウントが必要です。

gBizIDプライムアカウントは、印鑑証明書を登録印鑑を押した書類を運用センターに郵送すると、2〜3週間ほどで発行できます。アカウントを取得していない場合は、早急に発行の申請を行いましょう。

参考:GビスID

4.「SECURITY ACTION」手続き

「SECURITY ACTION」とは、情報セキュリティに関する対策への取り組みを宣言する制度を指します。安全・安心なIT社会を実現するために創設されたもので、情報セキュリティポリシーを策定・継続的な見直しをし、対応していくことを宣言するものです。

デジタル化・AI導入補助金の交付申請を行う際、SECURITY ACTIONの宣言が必須要件となっています。1段階目・2段階目の取り組み目標を実践し、「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」のいずれかを宣言する必要があります。

参考:SECURITY ACTION セキュリティ対策自己宣言

5. 交付申請・決定

デジタル化・AI導入補助金の事前準備が整ったら、交付申請を行います。IT導入支援事業者と相談し、導入するITツールの選定や、事業計画を設定し必要書類を添付のうえ、交付申請を提出しましょう。事務局で審査が通れば交付決定通知が届きます。

交付決定通知を受け取ったら、ITツールを契約し支払いを行います。注意点としては、ITツールの支払いは交付が決定してからになります。

6. 会計ソフト契約と支払い報告

デジタル化・AI導入補助金の交付が決定し、会計ソフトの契約が済んだら事業を開始します。事業の完了後、実際に会計ソフトを導入した際の発注・契約・納品・支払いを行ったことがわかる書類を提出し、事業実績報告にて支払報告を行います。

事業実績報告は、補助事業者が交付申請の際に利用したデジタル化・AI導入補助金の「申請マイページ」から必要な情報を入力し、会計ソフトの契約の際に発行された書類などを添付のうえ事務局へ提出すると、審査が行われます。

7. 補助金額の確定・実施効果報告 

事業実施効果報告・事業実績報告を提出し、事務局にて審査が完了すると、補助金額が確定します。補助額は「申請マイページ」にて確認できます。事業実施効果報告は、IT導入支援事業者が確認し、事務局へ提出します。

事業終了後に、生産性向上に係る数値目標に関する状況や、ITツールを継続的に活用していることを証明する書類、賃上げが実践されているかなど、IT導入事業者により効果報告を行う必要があります。

会計ソフトの導入にデジタル化・AI導入補助金を活用するメリット

デジタル化・AI導入補助金を活用する最大のメリットは、コストを抑えて会計ソフトを導入できることです。会計ソフトの価格は製品によって幅がありますが、インストール型では10万円以上かかるケースもあり、中小企業や小規模事業者にとっては大きな負担となります。

しかし、本補助金を活用することで導入費用の一部が補助されるため、初期コストを抑えながら会計ソフトを導入することが可能です。また、コスト負担が軽減されることで、より高性能なソフトを選びやすくなります

一般的に高機能なほど高額になるため、予算に合わせるとスペックを妥協しなければならないケースもありますが、補助金があればより選択肢が広がるでしょう。

デジタル化・AI導入補助金の今後の事業スケジュール

デジタル化・AI導入補助金は年度毎に交付申請期間が異なるため、申し込みを検討する際は公式サイトでの確認が必要です。なお、2026年の事業スケジュールは、現在第4次締切分まで公表されています。申請は3月30日から開始されており、第4次締切日は8月25日です。

申し込みを希望する場合は、定期的に公式サイトをチェックし、募集期間内に申請しましょう。上記のようにいくつかのステップがあり、申請には時間がかかるため、公募要領や交付までの流れを事前に確認しておくことが重要です。

参考:事業スケジュール|デジタル化・AI導入補助金2026

まとめ

デジタル化・AI導入補助金は、生産性向上と業務効率化を目的としてITツールやソフトウェアを導入する際、その経費の一部が補助されるもので、中小企業や小規模事業者が対象です。

デジタル化・AI導入補助金には申請枠や要件などが複数あるため、申請前に事業の内容を理解する必要があります。また、gBizIDプライム・SECURITY ACTIONの登録や手続き、決定通知後の支払いなど、手順に注意すべき点もあります。

デジタル化・AI導入補助金を活用することで、自社の課題に応じた会計ソフトやITツールを導入し、業務プロセスの効率化やDXの推進につなげられます。本記事を参考に、制度について理解したうえで、デジタル化・AI導入補助金を利用しましょう。

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