精算表とは?精算表の目的や書き方から作成のコツまで解説

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  • 精算表とは、損益計算書や貸借対照表などの財務諸表の流れをまとめた書類である
  • 精算表の必要性は、決算のミスをなくし正確な財務状況を把握することである
  • 精算表は会計ソフトを活用することで工数を削減して効率よく作成できる

精算表とは、決算に必要な決算整理仕訳や、損益計算書・貸借対照表などの財務諸表の流れをまとめた書類です。精算表の作成は義務付けされていませんが、決算のミスをなくし正確な財務状況を把握するのに役立ちます。本記事では、精算表の概要や作成手順を分かりやすく解説します。

目次

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  1. 精算表とは
  2. 精算表を作る目的
  3. 精算表に記載する項目
  4. 精算表で使用する書式
  5. 精算表を作成する手順
  6. 精算表を効率的に作成するコツ
  7. さらなる業務の効率化を図るなら会計ソフトがおすすめ
  8. まとめ

精算表とは

精算表は、主に決算手続きを正確に進めるために作成される帳簿の一つです。企業活動のさまざまな場面で用いられますが、日々の取引をもとに最終的な財務諸表へと整理していく過程で活用されます。

ここでは精算表とはなにか、また、混同されやすい試算表との違いについても解説します。

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精算表とは財務諸表のミスをなくすための書類

精算表とは、決算整理前において残高試算表・損益計算書・貸借対照表を作成するまでの一連の流れをまとめた概算表です。決算整理仕訳を反映しながら数値を確認できるため、財務諸表の作成において、数値のズレや記載漏れといったミスを防ぐ役割があります。

また、精算表を作成することで、企業の経済的な状態や業績整理・把握がしやすくなります。さらに、精算表は税務申告や監査など、企業の経営にも関わる重要な資料として活用されます。

簿記関連の試験でも出題される重要資料

精算表は、決算を正確に行うための重要な資料です。そのため、経理担当者がよく取得する簿記3級(日商簿記3級)をはじめとする検定試験においても、頻出の内容です。例えば、簿記3級では、決算整理事項を基に精算表を作成する問題が出題されます。

これからこういった検定試験を受けようと考えている場合は、特に精算表がどのようなものなのか、そしてその書き方などを覚えておく必要があるでしょう。

試算表と精算表の違い

試算表と精算表は、簿記においてよく混同されることがありますが、それぞれ異なる目的で使用される表です。 試算表は、勘定科目ごとの金額が一目で把握できる表であり、企業の会計情報を確認するために用いられます。

具体的には、取引データが正確に転記されているかを確認して、簿記の正確性を保つための手段として使用されます。また、資産・負債・純資産などの勘定科目ごとの金額を見ることで、企業の財務状況を把握できます。

一方で精算表は、決算時に試算表から最終成果物である「貸借対照表」を作成する中で使用する表です。精算表は試算表をベースにして作成されるため、試算表の情報を元に精密な決算作業を行うための補助的な表となります。

精算表を作る目的

決算時期における精算表の作成は、決算業務のミス防止や、経営判断のための財務状況の把握といったメリットがあります。なぜ精算表を作成した方がいいのか、まずは精算表の目的について解説します。

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決算のミスをなくす

精算表は、試算表・決算整理仕訳・貸借対照表・損益計算書の4点の作成の流れを可視化します。決算業務では多くの帳簿やデータを扱うため、数値のズレや記載漏れが発生しやすくなります。

しかし、精算表を作成することで、重要な財務報告書の整合性を確認できるため、ミスを事前に発見し、修正しやすくなります。

例えば、精算表は、貸借対照表と損益計算書の情報を統合して確認する役割を担い、資産と負債のバランスや、収益と費用の合計が一致しているかなどを確認できます。決算時期は事務作業が複雑化しますが、精算表の作成によってミスを減らせます。

正確な財務状況を把握する

精算表は、決算時期に試算表から作成される表であり、会計の整合性を確認するための重要な工程です。精算表は、試算表の内容を基にして「貸借対照表」や「損益計算書」の数字を整理し、これらの財務諸表を作成する際の基礎資料として利用されます。

試算表は勘定科目ごとの金額が一覧化された表であり、精算表を通じて各金額を整理し、財務諸表に反映します。また、精算表は「貸借対照表」と「損益計算書」の数字を並べて記載することで、簡易的な財務諸表としても活用できます。

精算表自体に、貸借対照表の一部と損益計算書の一部が含まれているため、財務状況や経済活動に関する問題点と傾向が視覚的にわかるようになります

精算表に記載する項目

精算表には、残高試算表・決算整理仕訳・損益計算書・貸借対照表といった記載項目があります。ここでは、それぞれがどんな意味を持つ項目なのかを解説します。

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残高試算表

残高試算表は、企業の会計帳簿に記録された取引のデータを集計して、期末の各勘定科目ごとの残高を一覧化した表です。期首残高に借方金額と貸方金額を加えて、期末残高を算出します。

残高試算表は、精算表や財務諸表の作成に不可欠な基礎資料です。精算表・貸借対照表・損益計算書は、試算表の情報を元に作成され、企業の財務状況を把握する上で重要な役割を果たします。

決算整理仕訳

決算整理仕訳は、企業が決算期末に行う特別な仕訳で、収益や費用を正確に計上し、財務諸表に適切な情報を反映させるための重要な処理です。例えば、未収収益の計上・減価償却費の計上・売上原価の算定などがあります。

決算整理仕訳によって、未収金・過剰収益・損失などの正確な収支情報が明確になります。企業は財務諸表を適切に整理し、信頼性のある情報を提供することで、経営判断や税務申告に役立ちます。

損益計算書(P/L)

損益計算書(P/L)は、企業の特定期間内に発生した収益と費用を示す財務諸表です。売上高・売上原価・総利益・販売費及び、一般管理費・営業利益・営業外収益と営業外費用・税引前利益・法人税等・当期純利益(当期純損失)の項目が含まれます。

損益計算書は企業の経営成績を把握し、利益や損失を計算する上で重要な情報源です。経営者・投資家・株主などが企業の業績を判断する際にも欠かせない指標となります。

貸借対照表(B/S)

貸借対照表(B/S)は精算表に記載する重要な項目で、企業の特定期間内の資産・負債・純資産(資産-負債)の状況を示す財務諸表です。資産部には、現金・売掛金・棚卸資産・固定資産などが、負債部には借入金・買掛金・長期借入金などが記載されます。

また、純資産部には、株主資本や利益剰余金が示されます。貸借対照表は、企業の健全性や安定性を評価し、経営者・投資家・株主が企業の財務状況を判断する際に重要な情報源となります。

借方・貸方の意味

借方・貸方は、会計における取引を記録する際の複式簿記に基づく用語であり、精算表においても記入欄が設けられています。借方は企業の資産や費用の増加を意味し、貸方は負債や純資産・利益の増加などを意味します。

原因(借方)と結果(貸方)にも例えられ、取引においては借方・貸方の合計金額は必ず一致します。例として、企業が現金で備品を購入する場合では、現金が減少し、備品(資産)が増加することを以下のように記入します。

借方/貸方金額
借方備品10,000円
貸方現金10,000円

精算表で使用する書式

精算表の書式は、記入欄の行数によって8桁精算表・6桁精算表・10桁精算表と分けられます。ここではそれぞれの書式の違いについて解説します。

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精算表で使用する書式

  1. 8桁精算表
  2. 6桁精算表
  3. 10桁精算表

8桁精算表

8桁精算表は、記入する項目が試算表・修正記入・損益計算書・貸借対照表の4つの項目で構成され、それぞれが借方・貸方に分かれているため、合計8つの記入欄を持つ書式です。多様な取引企業の成長変化にも対応しやすいため、広く使われる精算表です。

より簡易的な書式として、後述する6桁精算表があります。しかし、現在は取引がシンプルで小規模な企業であったとしても、将来的な変化に対応する観点で8桁精算表が一般的に使われます。

6桁精算表

6桁精算表は、記入する項目が試算表・損益計算書・貸借対照表の3項目で、各項目が借方・貸方に分かれており、合計6行の記入欄を持ちます。8桁精算表に見られる修正記入の項目はなく、小規模企業や取引が簡素な場合に利用されます。

取引がシンプルな企業にとっては、無駄な項目がないため理解がしやすく、会計処理が簡易的で入力の手間が少ないメリットがあります。ただし、詳細な情報が欠けるため、経営状況の把握には限度があります。

10桁精算表

10桁精算表は、記入する項目が試算表・修正記入・損益計算書・貸借対照表・決算整理後残高試算表の5項目で構成され、各項目が借方・貸方に分かれているため、記入欄は合計10行です。

取引が複雑な企業や、より正確な管理が求められる大企業では、経理業務を効率化できるでしょう。一方で項目が多くなる分、入力や管理の手間が増え、シンプルな取引が中心の企業では扱いにくくなるケースもあります。

そのため、10桁精算表は主に規模の大きい企業で利用される傾向にあり、会計ソフトなどを導入して作業の効率を図ることが多いです。

精算表を作成する手順

ここからは精算表の作成手順を解説します。一般的に使われる8桁精算表を例に、「試算表」「決算整理仕訳」「損益計算書」「貸借対照表」の各記入項目の書き方などについて解説していきます。

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各勘定の残高を試算表の欄に転記する

まずは、精算表の「試算表」の欄に、決算整理前残高試算表の金額を転記します。事前準備として、決算整理前残高試算表の作成が必要です。各勘定科目の名前と該当する借方・貸方の金額を記載しておきましょう。

転記をしたら、試算表の借方と貸方の合計を確認します。決算整理前残高試算表の金額が正確に転記されている場合、借方と貸方の合計は一致し、転記にミスがないと判断できます。

決算整理仕訳を正確に行うためには「決算整理前残高試算表」が必要なため、試算表には正しく転記しなければなりません。また、精算表の「試算表欄」には、決算整理前の勘定科目の残高が反映されており、最新の情報を得ることで会計処理の正確性を保てます。

修正記入の欄に決算整理仕訳を記入する

会計帳簿に基づき「決算整理仕訳」を行います。決算整理仕訳とは、未収収益・未払費用の処理・減価償却の計上などを含め、正確な会計処理を行うために必要な仕訳です。期中仕訳だけでは正確な決算処理ができず、調整が必要な取引に対して行われます。

仕訳が終わったら精算表に記入し、借方・貸方の合計を見て、整合性が取れているかを確認しましょう。

損益計算書と貸借対照表を転記する

試算表欄と修正記入欄の内容をもとに、損益計算書・貸借対照表の各項目を記入しましょう。まず、損益計算書の項目に該当する勘定科目(費用・収益)は損益計算書に、貸借対照表の項目に該当する勘定科目(資産・負債・純資産)は貸借対照表の欄に記載します。

いずれの記入欄も、試算表欄と修正記入欄の金額を合算して記入することが大切です。ただし、借方の勘定科目の場合は、試算表欄と修正記入欄の借方を加算、貸方を減算します。一方、貸方の勘定科目では、逆に貸方を加算、借方を減算します。

借方と貸方の合計金額が一致しているか確認する

最後に、4つの項目それぞれの借方・貸方の合計金額が一致しているか確認しましょう。すべての記入欄で合計金額が一致していれば、精算表の作成は完了し、財務諸表作成の信頼性を確保したことになります。

もし一致しなかった場合は、記載方法が誤っている可能性があるため、試算表欄や修正記入欄などを再度確認する必要があります。すぐに原因が特定できない場合には、会計帳簿や仕訳記録まで徹底的に調査しましょう。

精算表を効率的に作成するコツ

上述したとおり、精算表をスムーズに作成するには「会計ソフト」の利用がおすすめです。しかし、そのほかにもいくつか、工夫次第で効率よく作成できるポイントがあります。以下では、会計ソフトの利用以外で、効率的に精算表を作成する方法を紹介します。

修正仕訳はこまめに行う

精算表の修正が発生したら、その都度こまめに反映しておくことが重要です。ミスを見つけた場合は、放置せずにすぐに修正しましょう。早めに対応することで、決算直前の作業負担を軽減できます。

また、仮受金や仮払金にしたままの仕訳についても、勘定科目が確定した段階で修正しておきましょう。決算整理仕訳は手間のかかる作業のため、決算前にまとめて修正するのではなく、こまめな修正と反映が大切です。

修正内容の根拠は明確にしておく

修正内容の根拠は、その都度明確にしておくことが重要です。期間中に行った修正は、時間が経つと内容を把握しにくくなります。内容を把握できないと、数値のズレや誤りの原因を特定できず、再確認や修正に余計な時間がかかる恐れがあります。

そのため、特に上司への報告が必要な場合は、修正を行った際に併せて理由を記録しておくことで、時間が経ってもスムーズに説明できるでしょう。

よく使う仕訳を整理する

決算仕訳は似たような仕訳が多いので、よく使う決算仕訳は事前に整理しておきましょう。例えば、毎月発生する仕訳や、給料の未払計上・減価償却費など、前もって把握しておくと、事前に慌てることなくスムーズな入力作業が行えます。

また、決算仕訳をテンプレート化しておくことで、新たに入力する必要がなくなり、事業年度が切り替わってもスムーズな引継ぎができます。精算表作成時の業務を効率化するためにも、毎月発生する仕訳の整理や、確定前の仕訳の内容を知っておくことは大切です。

Excelを活用する

精算表を作成する際には、新たに会計ソフトを導入しなくても使える「Excel」の活用もおすすめです。会計ソフトと同様に、Excelでも修正作業やデータ管理が簡単に行えます。また、データは自動的に反映されるため、金額の把握もしやすいです。

Excelでの管理は、過去の精算表データとの比較や、修正前後の差額確認も容易です。ただし、手軽に精算表の管理をしたい方には有効ですが、事前の仕訳登録機能やそのほかの仕訳を手助けしてくれる機能がないため、入力には専門的な知識を持った方が必要です。

経理代行会社に依頼する

精算表の作成は、経理代行会社に依頼することも可能です。経理担当者が少ない企業や、日常業務が忙しく十分な時間を確保できない場合でも、専門知識を持つ外部サービスを利用することで、帳簿管理や決算準備をスムーズに進められます

一方で依頼にはコストがかかったり、自社に経理ノウハウが蓄積されにくかったりする点に注意が必要です。また、最終的な内容確認や意思決定は自社で行う必要があります。

そのため、経理代行会社は一時的な負担軽減やサポートとして活用しつつ、自社で管理できる体制を整えていくことが重要です。

さらなる業務の効率化を図るなら会計ソフトがおすすめ

精算表の作成には、簿記の知識や金額の照らし合わせなどが求められ、ミスや作業負担が発生しやすい業務です。特に、勘定科目の選択や数値の確認などは、慣れていないと時間がかかるリスクもあります。

こうした課題を解決する手段として有効なのが、会計ソフトの活用です。日々の取引データから、決算に必要な「貸借対照表」と「損益計算書」を自動で作成できるため、業務の効率化につながります。

また、データの一元管理により照らし合わせが容易になり、ミスの発見や修正も素早く行えます。手作業に比べて簿記の知識が必要となる場面も減るため、初心者にも会計ソフトの活用がおすすめです。

会計ソフトとは?使い方やメリットを解説【初心者・個人事業主も】

会計ソフトとは、企業におけるお金の動きが管理でき、帳簿や決算書などの作成もできるシステムのことです。利用したいとは思いつつも、使い方がわからない、どのソフトを選んだらいいかわからない、といった方も多いでしょう。この記事では、会計ソフトの使い方やメリット、選び方などを解説します。

まとめ

精算表とは、決算時に作成される書類で、「貸借対照表」と「損益計算書」の流れをまとめた一覧表です。決算手続きを正確に進めるのに役立つだけでなく、財務状況から適切な経営判断にも役立ちます。

また、正しい決算書を作成するためには専門知識が必要で、入力ミスや入力漏れを防ぐ必要がありますが、精算表を作成することで「貸借対照表」と「損益計算書」の記入ミスを防止できます。

そこで、知識が浅い方でも扱いやすく、日々の業務効率化を図れる「会計ソフト」の導入がおすすめです。精算表が自動で作成できるだけでなく、日々の記帳の手間も大幅に削減されるため、本記事を参考にして会計ソフトの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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