DXの略とDXリテラシー・GXとの違い|経産省資料で整理
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- DXは変革そのもの、DXリテラシーはその変革に参加するための一人ひとりの力
- DXリテラシー標準はWhy・What・How・マインド・スタンスの4つの観点で整理されている
- GXは環境・エネルギー領域の変革で、DXはGXを進める手段にもなる
DXは「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略で、デジタル技術を使って仕事の進め方や事業のあり方を変えることを指します。ところが実際の職場では、DXという略語だけでなく「DXリテラシー」「DXリテラシー標準」「GX」といった似た言葉が次々に出てきて、「結局どれが何を指しているのか」が分からなくなりがちです。この記事では、DXの略の意味をおさらいしたうえで、経済産業省の資料をもとにDXリテラシー標準(DSS-L)の中身と、GX(グリーントランスフォーメーション)との違い、両者が重なる場面までを整理します。社内でDX関連の用語を説明する立場の担当者が、そのまま資料づくりに使えることを目指しています。
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DXの意味を「使える言葉」にするなら|DXを実践するグループウェアの比較
DXの略や関連用語を理解した次の一歩は、その言葉を社内の日々の仕事に結びつけることです。DXリテラシー標準は、デジタル技術やデータを「知っている」だけでなく、実際の業務で活用し、変化に前向きに向き合う姿勢までを求めています。とはいえ、いきなり大規模なシステム刷新から始める必要はありません。多くの企業にとって取り組みやすい入口は、スケジュール、社内の連絡、申請・承認、ファイル共有といった毎日の情報共有をデジタルに置き換え、仕事の流れそのものを見直すことです。
その代表的な道具がグループウェアです。紙の回覧や口頭での連絡がオンラインに移ると、誰が何をどこまで進めているかが見えるようになり、会議や確認の手間が減ります。社員が日常的にデジタルツールで情報を扱う経験は、DXリテラシー標準が重視する「データ・技術の活用」を身近な形で体験することにもつながります。グループウェアの比較記事で紹介されている代表的なサービスの特徴は次のとおりです。
| サービス名(提供会社) | 強み | 留意点 |
|---|---|---|
| Google Workspace(グーグル合同会社) | AIを基盤とし、ビジネスで多く使うGoogleサービスが組み込まれている。セールスや人事などさまざまな業務で活用できる | 支払方法の口座振替は地域によっては利用できない |
| desknet’s NEO(株式会社ネオジャパン) | 情報共有から申請・承認、スケジュール管理まで使える多機能型。クラウド版は初期費用無料で利用できる | 業務アプリ作成ツールAppSuiteは一部プランのみ標準対応 |
| サイボウズ Office(サイボウズ株式会社) | ユーザー単位で契約でき、最低契約期間も1ヶ月と短め。モバイル対応で外出先からも確認できる | 利用するには最低5ユーザーの契約が必要 |
※各サービスの特徴は、お名前.comビジネスコンシェルジュの比較記事の掲載内容(2026年9月時点)に基づきます。機能や提供内容は変わることがあるため、最新情報は各社の公式情報で確認してください。
どのサービスが合うかは、「すでに使っている表計算や文書作成のツールと連携させたいか」「申請・承認まで一つにまとめたいか」「少人数から小さく試したいか」によって変わります。DXという言葉を社内で実感のあるものにするための具体的な手段として、比較記事で選び方と候補を確認しておきましょう。
DXを身近な業務から始めるなら
DXの実践例としてグループウェアを見る →DXの略と関連用語の全体像
DXは「Digital Transformation」の略で、XはTransformationの頭文字ではなく、英語圏で「Trans」を「X」と書く略記の慣習によるものです。「Trans」は「横切る」という意味で「cross」と近く、crossは交差する形の「X」で表されることから、DTではなくDXと書かれるようになりました。語源や身近な例をさらに詳しく知りたい場合は、DXは何の略?意味と身近な例を解説もあわせて確認してください。
本記事で扱うのは、その一段先にある「DXの周辺で使われる言葉」です。DX関連の用語は、変革そのものを指す言葉、変革を担う人のスキルを指す言葉、変革の対象領域が違う言葉の3種類に分けると整理しやすくなります。
| 用語 | 正式名称・略の中身 | 種類 | ひとことで言うと |
|---|---|---|---|
| DX | Digital Transformation | 変革そのもの | デジタル技術とデータで仕事や事業のあり方を変えること |
| DXリテラシー | DXに関する基礎的な素養 | 人のスキル | DXに参画するために誰もが持っておきたい知識・スキル・姿勢 |
| DSS-L | DXリテラシー標準(Digital Skill Standard – Literacy) | 人のスキルの物差し | 全てのビジネスパーソン向けに、経済産業省が示す学びの指針 |
| DSS-P | DX推進スキル標準(Digital Skill Standard – Professional) | 人のスキルの物差し | DXを推進する専門人材の役割とスキルを定義した指針 |
| GX | Green Transformation | 対象領域が違う変革 | 脱炭素に向けて、エネルギーや産業の仕組みを変えること |
| SX | Sustainability Transformation | 対象領域が違う変革 | 企業の稼ぐ力と社会の持続可能性を両立させる経営への転換 |
この表のポイントは、DXとGXは「変革」という同じ種類の言葉であるのに対し、DXリテラシーやDSS-Lは「変革を担う人の力」を表す言葉だという点です。「DXとDXリテラシーの違い」を聞かれたら、前者は会社や事業が変わること、後者はその変化に参加するために一人ひとりが身につける力だ、と答えるのが分かりやすい説明になります。
経済産業省によるDXの定義と、デジタル化・IT化との違い
DXの略を説明するときにあわせて押さえておきたいのが、経済産業省による定義です。経済産業省は2018年のDX推進ガイドライン(現在はデジタルガバナンス・コードに統合)で、DXを、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること、と定めています。ポイントは、ツールを入れること自体ではなく、変革と競争上の優位性の確立が目的に置かれている点です。
このためDXは、似た言葉である「デジタル化」や「IT化」とは区別して使われます。経済産業省のDXレポート2では、デジタル化を段階で捉え、アナログのデータをデジタルに置き換える段階をデジタイゼーション、個別の業務や製造プロセスをデジタル化する段階をデジタライゼーションとし、その先にDXがあると整理しています。
| 段階 | 変える範囲 | 職場での例 |
|---|---|---|
| デジタイゼーション | アナログの情報をデジタルデータにする | 紙の申請書をPDFや電子フォームに置き換える |
| デジタライゼーション | 個別の業務プロセスをデジタルで回す | 申請から承認までをオンラインで完結させる |
| DX | 組織全体の仕事の進め方やビジネスモデルを変える | 蓄積したデータをもとに意思決定の仕組みや顧客への価値の届け方を見直す |
IT化は、既存の業務をITで効率化することを指して使われるのが一般的で、上の表ではデジタイゼーションやデジタライゼーションに近い位置づけです。「うちはもうシステムを入れたからDXは済んでいる」という誤解を防ぐには、今の取り組みがどの段階にあたるかを示して説明すると伝わりやすくなります。
DXリテラシー標準(DSS-L)とは
DXリテラシー標準(DSS-L)は、働き手一人ひとりがDXに参画し、その成果を仕事や生活で役立てるうえで必要なマインド・スタンスや知識・スキルを示した、経済産業省の学びの指針です。特定の職種や専門家向けではなく、組織・年代・職種を問わず全てのビジネスパーソンが対象とされている点が特徴です。
デジタルスキル標準の中での位置づけ
経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、2022年12月に「デジタルスキル標準(DSS)」を取りまとめました。デジタルスキル標準は、ビジネスパーソン全体向けの「DXリテラシー標準」と、DXを推進する専門人材向けの「DX推進スキル標準」の2種類で構成されています。つまりDSS-Lは、DXに関するスキル全体の土台にあたる部分です。
DSS-Lを構成する4つの領域
DXリテラシー標準は、なぜDXが必要なのか(Why)、何を知っておくべきか(What)、どう使うか(How)、そして変化にどう向き合うか(マインド・スタンス)という4つの観点で整理されています。社内研修の設計や自己学習の計画を立てるときは、この4つに沿って項目を並べると抜け漏れが起きにくくなります。
| 領域 | 扱う内容 | 職場での具体例 |
|---|---|---|
| Why(DXの背景) | 社会や顧客、競争環境の変化と、DXが求められる理由 | 自社の顧客の買い方や問い合わせ方がどう変わってきたかを説明できる |
| What(データ・技術) | データの種類や扱い方、AIやクラウドなどのデジタル技術の基礎 | クラウドサービスと自社サーバーの違い、生成AIの得意・不得意を理解している |
| How(データ・技術の活用) | データやツールを実際の業務で使う方法と、使う際の留意点 | 共有ツールで情報を整理し、個人情報や機密情報の扱いに注意して使える |
| マインド・スタンス | 変化への適応、顧客や利用者の視点、学び続ける姿勢など | 新しいやり方を試し、うまくいかなければ改善する姿勢を持っている |
※各領域の具体例は、DXリテラシー標準の考え方を職場に当てはめた一例です。正式な項目や学習項目例は、経済産業省の公表資料で確認してください。
DXリテラシーとITリテラシーの違い
DXリテラシーとよく混同されるのがITリテラシーです。ITリテラシーは、パソコンやソフトウェア、インターネットを正しく安全に使いこなす力を指すことが一般的です。一方でDXリテラシーは、それを土台にしながら、デジタル技術やデータを使って仕事のやり方や価値の届け方を変えていく発想や姿勢まで含みます。表計算ソフトを使いこなせることはITリテラシー、表計算で管理していた業務をそもそも別の仕組みに置き換えられないかと考えられることはDXリテラシー、と考えるとイメージしやすくなります。
改訂の経緯|生成AIとAXへの対応
デジタルスキル標準は、技術の変化に合わせて見直されています。経済産業省の公表によると、2023年8月には生成AIの登場を踏まえてDXリテラシー標準の学習項目例やマインド・スタンスの補記を追加したver.1.1、2024年7月には生成AIに関してDXを推進する人材の行動例や学習項目例を追加したver.1.2が公表されました。さらに2026年4月には、AX(AIトランスフォーメーション)の進展やデータ活用の重要性を踏まえ、データマネジメント類型の新設などを行ったver.2.0が公表されています。社内でDSS-Lを参照する場合は、古い版の資料をそのまま使っていないか、公表日を確認することが大切です。
DX推進スキル標準(DSS-P)との関係
DX推進スキル標準(DSS-P)は、DXを推進する専門性を持った人材の役割と、習得すべきスキルを定義した指針です。DSS-Lが「全員が持つべき共通の土台」だとすれば、DSS-Pは「DXを引っ張る人が担う専門的な役割」を示したものです。DSS-Pでは、ビジネスアーキテクト、デザイナー、データサイエンティスト、ソフトウェアエンジニア、サイバーセキュリティといった人材類型が示されてきました。2026年4月のver.2.0では、AI活用の前提となるデータの整備・管理・利活用を担う役割として、データマネジメント類型が新設されています。
| 比較項目 | DXリテラシー標準(DSS-L) | DX推進スキル標準(DSS-P) |
|---|---|---|
| 対象 | 全てのビジネスパーソン | DXを推進する専門人材 |
| 目的 | 一人ひとりがDXに参画するための学びの指針 | 専門人材の育成・採用、スキルの見える化 |
| 中身の構成 | Why・What・How・マインド・スタンス | 人材類型ごとの役割と必要なスキル |
| 社内での使いどころ | 全社研修の範囲決め、新入社員教育 | DX推進チームの編成、専門職の評価基準づくり |
中小企業では、DX推進チームを専任で置く余裕がないことも少なくありません。その場合は、まず全員でDSS-Lの範囲をそろえ、そのうえで社内のキーパーソン数名がDSS-Pの類型のうち自社に必要な役割(たとえば業務改善を構想するビジネスアーキテクトや、データを整えるデータマネジメント)を意識して学ぶ、という段階的な進め方が現実的です。
GX(グリーントランスフォーメーション)とは|DXとの違い
GXは「Green Transformation(グリーントランスフォーメーション)」の略で、化石エネルギー中心の経済や社会の仕組みを、脱炭素に向けてクリーンエネルギー中心へ転換していく取り組みを指します。DXと同じく「X」はTransformationを表しますが、変える対象がデジタルではなく環境・エネルギーである点が大きな違いです。
日本では、2050年のカーボンニュートラル実現という目標を背景に、GXが産業政策の柱の一つとして位置づけられています。経済産業省は、カーボンニュートラルへの移行に挑戦する企業群がGXをけん引する枠組みとして「GXリーグ」を設立しており、2024年4月時点で日本のCO2排出量の5割超を占める企業群が参画しているとしています。GXリーグでは、参画企業が自主的に設定した排出削減目標に向けた排出量取引(GX-ETS)を2023年度から実施しており、2026年度からは排出量取引の本格稼働が予定されています。
| 比較項目 | DX | GX |
|---|---|---|
| 略の中身 | Digital Transformation | Green Transformation |
| 変える対象 | 業務プロセス、ビジネスモデル、組織・企業文化 | エネルギーの使い方、産業構造、サプライチェーン |
| 主な目的 | 競争上の優位性の確立、生産性や顧客価値の向上 | 脱炭素と経済成長の両立 |
| 視点の広さ | 主に企業・組織単位の変革 | 企業に加え、エネルギー政策や産業全体を含むマクロな変革 |
| 関連する主な政策・枠組み | デジタルガバナンス・コード、DX認定、デジタルスキル標準 | GXリーグ、排出量取引(GX-ETS)、成長志向型カーボンプライシング構想 |
| 社内の主な担当 | 経営企画、情報システム、各事業部門 | 経営企画、サステナビリティ推進、製造・設備、調達部門 |
なお、GXと並んでよく出てくるSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)は、企業の稼ぐ力と社会の持続可能性を同時に高めるための経営の転換を指す言葉です。GXが脱炭素という環境面に焦点を当てているのに対し、SXは環境に加えて人権や地域社会なども含む、より広い経営全体の考え方として使われます。3つの関係は、SXという大きな方向性のなかに、手段としてのDXと、環境面の変革としてのGXがある、と整理すると混乱しにくくなります。
DXとGXの関係性|連携する場面
DXとGXは対象領域が異なる別の取り組みですが、現場では同時に進むことが多く、DXがGXを進めるための手段になる場面も少なくありません。脱炭素に取り組むには、まずエネルギーの使用量や排出量を正確に把握する必要があり、その把握にはデータの収集と可視化、つまりDXの仕組みが欠かせないためです。
1つの取り組みにDX・DXリテラシー・GXを当てはめてみる
用語の違いを社内で説明するときに効果的なのが、ひとつの具体的な取り組みを例に、3つの言葉がそれぞれどの部分を指しているのかを示す方法です。たとえば「紙の稟議と対面の会議が中心だった会社が、オンラインでの申請・承認と情報共有に切り替える」という取り組みを考えてみます。
| 用語 | この取り組みのどの部分にあたるか |
|---|---|
| DX | 承認の流れや情報共有の方法を見直し、意思決定の速さや働く場所の自由度を変えること |
| DXリテラシー | 社員が新しいツールを使いこなし、情報の扱い方に注意しながら、さらに改善点を提案できる力 |
| GX | 紙の使用や移動が減ることで、結果として資源やエネルギーの消費を抑える効果が期待できる部分 |
このように、同じ取り組みでも「何を変えたか」に注目すればDX、「誰がどんな力で進めたか」に注目すればDXリテラシー、「環境への影響」に注目すればGXの話になります。言葉ごとに別々の施策を用意しなければならないと考えるより、ひとつの施策を複数の観点で評価するほうが、社内の理解も進みやすくなります。ただし、紙や移動の削減がどの程度の排出削減につながるかは、業種や事業の規模によって大きく異なります。GXとしての効果を社外に示す場合は、実際の数値で確認できる範囲にとどめることが大切です。
DXとGXが連携する代表的な場面
- 工場やオフィスのエネルギー使用量をセンサーで計測し、データをもとに無駄な稼働を減らす
- 取引先ごとの排出量データを集め、サプライチェーン全体の排出量を把握する
- テレワークやオンライン会議の定着により、通勤や出張に伴う移動を減らす
- 申請・承認や社内連絡をデジタル化し、紙の印刷や保管スペースを減らす
このうち、最も多くの企業がすぐに着手できるのが、最後の「社内の情報共有と申請・承認のデジタル化」です。大がかりな設備投資を必要とせず、全社員が日常的に関わるため、DXを体感する最初の一歩として効果が見えやすいのも特徴です。社員一人ひとりがデジタルで仕事を進める経験を積むことが、そのままDXリテラシーを高める実践の場にもなります。
社内の情報共有からDXを始めるなら
まずグループウェアで小さくDXを始める →DX用語でよくある誤解
DX関連の用語は似た形の略語が多いため、社内資料や会議で誤った使い方が広まってしまうことがあります。よくある誤解と、正しい理解を整理すると次のとおりです。
| よくある誤解 | 正しい理解 |
|---|---|
| DXのXはTransformationの頭文字 | XはTransを表す英語の略記慣習で、頭文字ではない |
| DXリテラシーはパソコンが使えること | 操作スキルに加え、データや技術で仕事を変える発想や姿勢まで含む |
| DXリテラシー標準はIT部門だけが学ぶもの | 全てのビジネスパーソンを対象とした学びの指針。専門人材向けはDX推進スキル標準 |
| GXはDXの一種 | GXは環境・エネルギー領域の変革で、DXとは対象が違う。DXはGXを進める手段になりうる |
| GXは大企業や製造業だけの話 | 取引先から排出量の把握を求められるなど、サプライチェーンを通じて中小企業にも関わる |
| 一度作った研修資料はそのまま使える | デジタルスキル標準は改訂が続いており、2026年4月にもver.2.0が公表されている |
特に注意したいのが、最後の「資料の古さ」です。DXやGXに関する行政の資料は、技術や政策の変化にあわせて更新されます。社内の研修資料や説明資料に数値や定義を引用するときは、出典と公表時期を必ず明記し、年に1回程度は最新版と照らし合わせる運用にしておくと安心です。
よくある質問(FAQ)
Q. DXは何の略ですか?
A. DXは「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略です。英語圏で「Trans」を「X」と書く略記の慣習があるため、DTではなくDXと表記されます。デジタル技術とデータを使って、仕事の進め方や事業のあり方を変えることを指します。
Q. DXリテラシーとはどういう意味ですか?
A. DXに参画するために、働き手一人ひとりが身につけておきたい知識・スキル・マインドのことです。経済産業省のDXリテラシー標準では、Why(DXの背景)、What(データ・技術)、How(データ・技術の活用)、マインド・スタンスの4つの観点で整理されています。
Q. DXリテラシー標準とDX推進スキル標準の違いは何ですか?
A. DXリテラシー標準(DSS-L)は全てのビジネスパーソンを対象とした学びの指針で、DX推進スキル標準(DSS-P)はDXを推進する専門人材の役割とスキルを定義した指針です。両者をあわせて「デジタルスキル標準」と呼びます。
Q. DXとGXの違いは何ですか?
A. DXはデジタル技術とデータで業務やビジネスモデルを変える取り組みで、GXは脱炭素に向けてエネルギーや産業の仕組みを変える取り組みです。どちらも「X」はTransformationを表しますが、変える対象が異なります。
Q. DXとGXは同時に進められますか?
A. 同時に進められます。エネルギー使用量の計測やデータの可視化、申請・承認のデジタル化による紙や移動の削減など、DXの取り組みがGXの手段になる場面は多くあります。ただし、環境面の効果を示す場合は、実際に確認できる数値に基づいて説明することが大切です。
Q. DXリテラシーを社内で高めるには何から始めればよいですか?
A. まずDXリテラシー標準の4つの観点に沿って、全社員で共通の基礎をそろえることから始めるのが基本です。あわせて、グループウェアなどで社内の情報共有や申請・承認をデジタル化し、日常業務のなかでデジタルツールを使う経験を積むと、知識が実践に結びつきやすくなります。
まとめ
DXは「Digital Transformation」の略で、デジタル技術とデータで仕事や事業のあり方を変えることを指します。DXリテラシーはその変革に参加するために一人ひとりが身につける力であり、経済産業省のDXリテラシー標準(DSS-L)がその物差しを示しています。GXは脱炭素に向けてエネルギーや産業の仕組みを変える取り組みで、DXとは対象領域が違いますが、DXがGXを進める手段になる場面も少なくありません。用語の違いを押さえたうえで、今日から取り組めることは次の3つです。
- 社内資料では、DX・DXリテラシー・GXを「変革」「人の力」「対象領域が違う変革」の3種類に分けて説明する
- DXリテラシー標準のWhy・What・How・マインド・スタンスに沿って、全社員に共通して学んでほしい範囲を決める
- 社内の情報共有や申請・承認のデジタル化など、全員が関われる身近な業務から小さくDXを始める
本記事は2026年9月時点の公開情報に基づく一般的な情報提供です。行政の資料や各サービスの内容は更新されることがあるため、最新の情報は各公式サイトで確認してください。
参考文献
- 経済産業省「デジタルスキル標準」 https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/skill_standard/main.html
- 経済産業省「成長志向型カーボンプライシング構想(GXリーグ)」 https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/GX-league/gx-league.html
- 経済産業省「産業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)」 https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/dx/dx.html
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