SaaSアプリとは?ブラウザ版とスマホアプリ版の違い・選び方と注意点

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  • ブラウザ版とアプリ版で使える範囲は違う
  • 選ぶ軸は機能・端末・連携・信頼性・契約
  • スマホは端末・画面ロック・更新・紛失を決める

SaaSアプリとは、インターネット経由で使う業務用のソフトウェアを、パソコンのブラウザやスマートフォンのアプリから利用する形のことです。自社のサーバーにソフトを入れず、提供会社が運用・更新するものを、月額や年額で契約して使います。「saas アプリ」で検索すると、代表例の一覧やSaaSの意味の解説が多く並びますが、実際に業務で使うときは、ブラウザ版とスマホアプリ版のどちらで使えるか、外出先の端末をどう管理するかも気になるところです。この記事では、SaaSアプリの意味、ブラウザ版とスマホアプリ版の違い、業務別の例、選ぶときの確認項目、スマホで使うときの安全対策を、NIST・総務省・IPAなどの公的な資料と各社の公式情報で整理します。

SaaSアプリで、いまいちばん困っているのはどの場面ですか?

Q1. SaaSアプリを探している業務は、どちらに近いですか?

目次

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  1. SaaSアプリとは?ブラウザで使う型とスマホアプリで使う型
  2. SaaSアプリの種類|業務別の例と、スマホで使うときに確認したい点
  3. ブラウザ版とスマホアプリ版の違い|Webアプリ・ネイティブアプリとの関係
  4. SaaSアプリのメリットと注意点|総務省の調査とIPAの手引きから
  5. SaaSアプリの選び方|6つの確認項目
  6. スマホでSaaSアプリを使うときの安全対策|総務省の手引きの項目で確認
  7. SaaSアプリが増えたときの管理|利用状況の棚卸しの進め方
  8. SaaSアプリ導入の進め方|5つのステップ
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ|SaaSアプリを選んで使うときに押さえる5つのこと
  11. 参考文献

SaaSアプリとは?ブラウザで使う型とスマホアプリで使う型

SaaSアプリとは、提供会社がクラウド上で動かす業務ソフトを、ブラウザやアプリから利用するサービスのことです。インストールや保守は提供会社が担い、利用者は契約して使います。

SaaSの定義は、米国立標準技術研究所(NIST)が2011年9月に公表した「The NIST Definition of Cloud Computing」(SP 800-145)が広く参照されています。それによると、SaaSは、提供者がクラウド基盤の上で動かすアプリケーションを利用者が使う形態です。アプリケーションは、ウェブブラウザのような軽いクライアントか、プログラム用のインターフェースを通じて、さまざまな端末から使えます。利用者は、ネットワーク、サーバー、OS、ストレージといった基盤を管理せず、アプリケーションの機能も、利用者ごとの限られた設定を除いて管理しません。つまり、ブラウザで開くものも、専用のアプリで使うものも、同じSaaSの使い方の違いです。

業務で使うSaaSアプリのなかでも、スマホから使う場面が多いのが、申請・承認と社内外の連絡です。外出先で申請書を承認する、取引先からの連絡を受けるといった場面では、ブラウザ版かスマホアプリ版かが使いやすさを左右します。その一例として、ワークフローシステムのコラボフローとビジネスチャットのChatworkを、商品ページで確認した範囲で先に表にしました。ほかの業務のSaaSアプリは、次の章で整理します。

スマホからも使う申請・承認と連絡のSaaSアプリ、2つのサービスの役割

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

自社の状況:

この状況に合う一例:コラボフローモバイル対応で、外出先からも申請書の処理ができると商品ページで紹介されています。

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この状況に合う一例:ChatworkiOS・Android端末で使えるモバイル版アプリがあると商品ページで紹介されています。

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サービス コラボフロー Chatwork
向いている会社 申請・承認の流れを、自社の様式に合わせて仕組みにしたい会社 社内外の連絡を1か所に集めたい、初めて導入する中小企業
特徴 Excelの帳票や申請書を見た目そのままWebフォームにでき、モバイル対応で外出先からも申請書を処理できる 無料で始められるフリープランがあり、iOS・Android向けのモバイル版アプリで、業務時間外に通知が届かない設定もできる
注意したい点 モバイルアプリはプレミアムプランの機能で、スタンダードプランではオプションとして追加が必要。クラウド版は1ユーザーにつき5GBの容量制限がある フリープランから有料プランへのアップグレードは組織内の全ユーザーが対象で、下位プランへの変更やダウングレードはできない
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表は横にスクロールできます。内容は2026年10月22日時点の商品ページによります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

外出先で申請書の承認や確認を済ませたい場合の一例が、株式会社コラボスタイルのコラボフローです。商品ページでは、Excelで作成した帳票や申請書をそのままWebフォームに変換できること、承認経路をパーツを並べて設計できること、モバイル対応で外出先からも申請書を処理できることが紹介されています。一方で、モバイルアプリはプレミアムプランの機能で、スタンダードプランではオプションとして追加が必要です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

株式会社コラボスタイル

コラボフロー

コラボフロー

株式会社コラボスタイル

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簡単な操作とワークフロー向けで初心者におすすめ

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  • 誰でも思い通りのワークフローを簡単作成
  • シンプルかつ直感的な操作で承認経路を設計
  • 運用中にフォームレイアウトの追加・修正が可能
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  • コラボフローのクラウド版には、1ユーザーにつき5GBの容量制限がある

コラボフローの導入事例では、南海電気鉄道株式会社が、押印文書のワークフロー化を進めるにあたり、ワークフローシステムの選定に着手した経緯を紹介しています。事例ページで、担当者が選定の理由を次のように述べています。

コラボフローは、Excelで設計した資料を取り込むことによって簡単に申請が作成できるので、開発生産性が高いと感じました。

出典:コラボフロー 導入事例 南海電気鉄道株式会社

社内外の連絡を、スマホのアプリも使って1か所に集めたい場合の一例が、株式会社kubellが提供するChatworkです。商品ページでは、無料で始められるフリープランがあること、チャットだけでなく通話やタスク・ファイル管理の機能があること、iOS・Android端末で使えるモバイル版アプリがあり、休日や業務時間外に通知が届かない設定ができることが紹介されています。一方で、フリープランから有料プランへのアップグレードは組織内の全ユーザーが対象になります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

Chatwork株式会社

Chatwork

Chatwork

Chatwork株式会社

Chatwork

タスク管理やビデオ通話も◎初めて導入する中小企業におすすめ

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  • チャットだけでなく通話機能やタスク・ファイル管理などの機能が充実
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  • より高いセキュリティとサポートの手厚さを求める方はエンタープライズの契約が必要

Chatworkの導入事例では、全国54の支部を持つ一般社団法人 全国介護事業者連盟が、電話やメール、LINEなどに分かれていた連絡ツールをChatworkに一本化した経緯を紹介しています(取材は2023年8月)。事例ページで、支部の事務局長が導入の効果を次のように述べています。

全員が共通のツールを使うようになったことがメリットだと感じています。

出典:Chatwork 導入事例 一般社団法人 全国介護事業者連盟

SaaSアプリを使う企業は増えている|総務省の調査から

総務省の令和7年通信利用動向調査(2026年5月29日公表、常用雇用者100人以上の企業が対象)では、クラウドサービスを一部でも利用している企業は83.5%、全社的に利用している企業は60.0%でした。利用する理由の1位は「場所、機器を選ばずに利用できるから」(50.7%)、2位は「安定運用、可用性が高くなるから」(45.1%)、3位は「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」(42.8%)でした(複数回答)。

この数字はSaaSに限らないクラウドサービス全般のものですが、場所や端末を選ばずに使えることと、保守を提供会社に任せられることが、SaaSアプリの使いやすさの中心にあることがわかります。同じ調査で、テレワークを導入している企業は50.1%でした。外出先や自宅の端末から業務のアプリを使う場面は、それだけ身近になっています。SaaSの基本的な意味は、SaaSとは|意味・仕組み・種類と導入前に決めておく自社の管理や、SaaSって何?身近な例でわかる意味と料金の仕組み、選び方で整理しています。

SaaSアプリの種類|業務別の例と、スマホで使うときに確認したい点

SaaSアプリには、連絡、申請・承認、顧客管理、会計、人事・勤怠、プロジェクト管理、データ分析など、業務ごとにさまざまな種類があります。どの業務でも、スマホで使う場面があるかを先に確認します。

Microsoft Azureの解説ページは、SaaSの一般的な使い方として、プロジェクト管理・CRM・会計・人事のためのクラウドベースのツール、Microsoft Teamsのようなコラボレーションとコミュニケーションのツール、データ分析とビジネスインテリジェンスの3つを挙げています。次の表は、これらを含む業務の種類ごとに、スマホで使う場面の例と、導入前に確認したい点を整理したものです。

業務の種類主な機能スマホで使う場面の例導入前に確認すること
連絡・コラボレーションチャット、通話、ファイル共有、タスク管理外出先で、取引先や社内の連絡を受けるiOS・Android向けのアプリがあるか、通知の時間帯を設定できるか、無料プランの制限
申請・承認(ワークフロー)申請書の作成、承認経路、承認の履歴外出中や出張中に、申請書を承認する承認の操作がモバイルで行えるか、モバイルアプリがどのプランに含まれるか
顧客・営業管理(CRM・SFA)顧客情報、商談や訪問の記録訪問先で、顧客情報を確認し、記録を入力するスマホで見られる顧客情報の範囲、端末を紛失したときの対応
会計・経理帳簿、請求書、経費の精算外出先で、経費を申請する会計データを見られる利用者の範囲、権限の設定
人事・勤怠勤怠の打刻、シフト、人事情報外出先や直行直帰で、打刻する位置情報の扱い、打刻の修正と承認の流れ
プロジェクト・タスク管理課題の管理、進捗の共有現場や移動中に、進捗を確認する通知の量、権限、ほかのサービスとの連携
データ分析・BIデータの可視化、レポート会議の場で、数字を確認する閲覧できるデータの範囲、共有の設定

上の表は一般的な分類で、機能や対応端末はサービスによって異なります。個別のサービスは、公式サイトの機能一覧やプラン表で確認してください。分野別の代表例はSaaSの代表例|分野別の一覧とPaaS・IaaSの実例を解説、カテゴリマップはSaaSサービスとは?代表例・分野別カテゴリマップと選び方の5つの基準、業務カテゴリ別の例はSaaS製品とは?業務カテゴリ別の例と、ツール・プロダクトの違いの記事で整理しています。

有名なSaaSアプリの例|公式サイトで確認できること

有名なSaaSアプリには、Microsoft 365、Google Workspace、Salesforce、Chatwork、コラボフローなどがあります。次の表は、公式サイトの紹介にもとづく例で、順位や優劣を示すものではありません。

サービス提供会社公式サイトなどでの紹介
Microsoft 365Microsoftアプリとクラウドサービスを組み合わせたものとして紹介されている。Office 365はMicrosoft 365になったと案内されている
Microsoft Teams(Azureの解説ページ)Microsoftリアルタイムのメッセージ、ビデオ会議、ファイル共有をサポートするSaaSツールの例として挙げられている
Google WorkspaceGoogleビジネスアプリとコラボレーションツールとして紹介されている
Salesforceセールスフォース・ジャパン(日本のサイト)AIエージェント搭載のSFA、CRMとして紹介されている
Chatwork株式会社kubellビジネスチャットツールとして、商品ページで紹介されている
コラボフロー株式会社コラボスタイルWebワークフローシステムとして、商品ページで紹介されている

Office 365(Microsoft 365)はSaaSですか

Office 365は、現在はMicrosoft 365という名称で、SaaSの代表例として挙げられることが多いサービスです。ただし、プランによってデスクトップ版のアプリも含まれるため、すべてがブラウザだけで完結するわけではありません。

Microsoftの公式ページには、Office 365はMicrosoft 365になったと案内されています。2026年10月22日に確認した一般法人向けプランのページでは、Microsoft 365 Business Basicは「軽量なWebとモバイルのアプリ」で、Web版とモバイル版のWord、Excel、PowerPoint、Outlookを使える形として紹介されていました。ほかのプランは、デスクトップ版、Web版、モバイル版のアプリを使える形として紹介されています。同じサービス名でも、契約するプランによって、ブラウザとモバイルで使う範囲と、パソコンにインストールして使う範囲が変わります。プランの内容は変更されることがあるため、最新は公式サイトで確認してください。

2つのサービスの役割を比較表で見る

ブラウザ版とスマホアプリ版の違い|Webアプリ・ネイティブアプリとの関係

ブラウザ版は、インストールせずブラウザで開いて使う形で、スマホアプリ版は、公式のアプリストアから入れて使う形です。どちらが使えるかは、サービスとプランによって異なります。

Microsoft Azureの解説ページは、顧客はほとんどのSaaSアプリをウェブブラウザから直接実行でき、ソフトウェアをダウンロードしてインストールする必要はないと説明しています(一部のアプリにはプラグインが必要)。また、サービス提供会社が更新、セキュリティ、バックアップを含むソフトウェアのメンテナンスを管理するため、顧客は常に最新の機能とセキュリティパッチを利用できるとしています。一方、スマホにアプリを入れる場合は、アプリ自体と端末のOSの更新も利用者側の管理になります。

比べる点ブラウザ版スマホアプリ版
使い始めブラウザからログインして使う。ソフトのインストールは、ほとんどの場合不要(Azureの解説ページ)公式のアプリストアからインストールして使う。総務省の手引きは、スマートフォン等にアプリを入れるときは公式アプリケーションストアを使うよう周知することを挙げている
更新提供会社が運用し、更新するアプリと端末のOSを最新に保つ。総務省の手引きは、最新のセキュリティアップデートを適用するよう周知することを挙げている
使える機能サービスやプランによって異なるサービスやプランによって異なる。例として、コラボフローのモバイルアプリはプレミアムプランの機能で、スタンダードプランではオプション(商品ページ)。Microsoft 365 Business Basicは、Web版とモバイル版のアプリ(Microsoft公式のプランのページ)
通知サービスによって異なる通知の時間帯を設定できる場合がある。例として、Chatworkのモバイル版は、休日や業務時間外に通知が届かない設定ができる(商品ページ)

表の「使える機能」の行のとおり、同じサービスでも、ブラウザ版とアプリ版で使える範囲や、アプリが含まれるプランが分かれていることがあります。スマホで使いたい機能がある場合は、その機能がアプリ版で使えるか、使えるプランはどれかを、契約の前に確認します。

Webアプリ・ネイティブアプリ・自社開発との関係

検索結果には、SaaSとウェブアプリケーション、アプリ開発の違いを扱う話題も出ます。整理すると、ウェブアプリケーションはブラウザの上で動くアプリケーションの作り方、スマホ向けのアプリは端末にインストールして動かす作り方で、SaaSはそのどちらでも提供できる「提供と運用の形」を指します。自社でアプリを開発する場合は、そのアプリの運用や更新も自社が担います。SaaSは提供会社が運用するものを使う形で、NISTの定義でも、利用者は基盤やアプリケーションの機能を管理しないとされています。

SaaS・PaaS・IaaS・パッケージソフトの違い

SaaSは完成したアプリケーションを使う形、PaaSは自分で作ったアプリケーションを動かす環境を借りる形、IaaSはサーバーやストレージなどの基盤を借りる形です。NISTの定義をもとに、利用者が何を管理するかで比べます。

形態利用者が使うもの利用者が管理するもの(NISTの定義)
SaaS提供者がクラウド上で動かすアプリケーション基盤は管理しない。アプリケーションの機能も、利用者ごとの限られた設定を除いて管理しない
PaaS自作または入手したアプリケーションを動かす環境基盤(ネットワーク、サーバー、OS、ストレージ)は管理しない。配置したアプリケーションと、動かす環境の設定は管理できる
IaaS処理能力、ストレージ、ネットワークなどの基盤クラウド基盤そのものは管理しない。OS、ストレージ、配置したアプリケーションは管理できる
パッケージソフト(自社運用)自社のサーバーや端末にインストールするソフトインストール、更新、保守を自社で行う(一般的な形。NISTの定義の対象外)

SaaSとAWSなどの違いはSaaSとAWSの違いとは?IaaS・PaaSとの関係と、自社に必要な方の判断フロー、SaaSと自社構築・SIerの使い分けはSaaSとSIerの違いとは?パッケージ・自社構築を含む4つの選択肢と選び方の記事で整理しています。

SaaSアプリのメリットと注意点|総務省の調査とIPAの手引きから

SaaSアプリのメリットは、場所や端末を選ばず使えること、保守を提供会社に任せられること、ほかのサービスと連携できる場合があることです。注意点は、自社に合わせた変更の幅と、利用者側の管理です。

SaaSアプリの主なメリット

  • 場所や端末を選ばずに使える:総務省の調査で、クラウドサービスを利用する理由の1位が「場所、機器を選ばずに利用できるから」(50.7%)でした。Azureの解説ページも、モバイル従業員のサポートをSaaSの利点に挙げています。
  • 社内に資産や保守体制を持たなくてよい:同じ調査の3位が「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」(42.8%)でした。NISTの定義でも、利用者は基盤を管理しません。
  • 契約を決めて使い始められる:Azureの解説ページは、SaaSはサブスクリプションベースで、顧客がソフトウェアをローカルにインストールしたり維持したりする必要がないと説明しています。
  • ほかのサービスと連携できる場合がある:Chatworkは商品ページでAPI連携が、コラボフローは商品ページで外部データベースの参照やkintone連携が紹介されています。連携の範囲はサービスごとに異なるため、公式サイトで確認します。

SaaSアプリで注意したい点

  • 自社に合わせた変更の幅が限られる:NISTの定義では、利用者はアプリケーションの機能を、利用者ごとの限られた設定を除いて管理しません。画面や項目、承認の流れを自社の運用に合わせられる範囲は、サービスとプランで異なるため、デモやトライアルで確かめます。
  • 外部からの攻撃や、共用の影響を受ける:IPAの手引きは、クラウドサービス固有のリスクとして、インターネットを使うため外部からの攻撃を受けやすいこと、1台のコンピュータを多数で共用するため1台のインシデントが多数に影響することを挙げています。
  • すべての対策を把握しにくい:同じ手引きは、1つのサービスが複数の事業者で構成される場合があり、すべての対策を把握することが難しいことも挙げています。
  • 利用者側の管理は残る:手引きは、利用者としての役割・責任を認識して活用するよう呼びかけています。管理担当者、利用者の範囲、認証の管理は自社の役割です。
  • 契約の更新やサービス内容の変更:提供の終了や仕様の変更は、事業者の案内で知ることになります。契約の更新時期と、事業者からの案内の届く先を決めておきます。

SaaSの安全面の全体像は、SaaSセキュリティとは|利用者の責任範囲とリスク・対策の基本の記事でも整理しています。標準の機能に業務を合わせるか、自社の様式に合わせられるサービスを探すかは、選ぶ前に決めておくと進めやすくなります。

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SaaSアプリの選び方|6つの確認項目

SaaSアプリは、必要な機能、使える端末、ほかのサービスとの連携、事業者の信頼性、サポートと品質、契約条件とデータの扱いの6項目で確認して選びます。

IPAの「中小企業のためのクラウドサービス安全利用の手引き」(中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版の付録7)には、選択するとき、運用するとき、セキュリティ管理のときの合計15項目のチェックシートがあります。次の表は、サービスを選ぶ側が公式の情報から確認できる項目を、スマホで使う視点も加えて6つにまとめたものです。

確認項目見ること確認できる場所
1. 必要な機能使う業務と必要な機能を先に決め、足りない機能や、使わない機能が多すぎないかを見る(IPAのNo.1、No.2)公式サイトの機能一覧、無料トライアル、デモ
2. 使える端末ブラウザ版とスマホアプリ版のどちらがあるか、使いたい機能がどちらで使えるか、対応するOSと、アプリが含まれるプラン公式サイトの動作環境、ヘルプ、プランの比較表
3. ほかのサービスとの連携すでに使っているサービスとデータをやり取りできるか(API連携など)。ログインの一本化や連携の考え方は別の記事で整理している公式サイトの連携一覧、API仕様
4. 事業者の信頼性と情報開示事業者は信頼できるか、付帯するセキュリティ対策が具体的に公開されているか(IPAのNo.5、No.11)公式サイトの会社情報、セキュリティのページ、認証や開示制度の掲載
5. サポートと品質稼働率、障害発生頻度、障害時の回復目標時間などの品質保証が示されているか(No.6)、ヘルプデスクやFAQがあるか(No.12)サービス仕様書、SLAの記載、ヘルプ、サポート窓口の対応時間
6. 契約条件とデータの扱い利用を終了するときのデータの取扱い(No.13)、適用法令や契約条件(No.14)、データの保存先の国・地域(No.15)、料金のかかり方利用規約、契約書、見積書、プライバシーポリシー

料金は、ユーザー数やプランによって変わります。表のどの項目も、公式の情報で確認できないときは、資料請求や問い合わせで確かめてください。IPAの項目の細かい意味はSaaSセキュリティとは|利用者の責任範囲とリスク・対策の基本、連携やログインの一本化はSaaS連携とは?API・iPaaS・Webhook・SSOの違いと始め方で説明しています。

無料プランやトライアルで確かめる

契約する前に、無料プランやトライアルで、実際の画面と操作を試します。Chatworkは商品ページで、無料のフリープランから始められることと、有料プランの1か月のお試しがあることが紹介されています。コラボフローは商品ページで、30日間の無料お試しがあり、申込みには問い合わせが必要と紹介されています。試すときは、パソコンのブラウザだけでなく、スマホのアプリでも、使いたい操作をひととおり行い、通知の届き方と画面の見やすさを確認します。

ワークフローシステムやビジネスチャットそのものの選び方は、おすすめのワークフローシステム9選|選ぶポイントを詳しく解説と、おすすめのチャットシステム7選|選び方や導入時の注意点を解説の記事で整理しています。

2つのサービスの役割を比較表で見る

スマホでSaaSアプリを使うときの安全対策|総務省の手引きの項目で確認

スマホでSaaSアプリを使うときは、使う端末を決め、画面ロックとOSの更新を徹底し、アプリは公式ストアから入れ、紛失したときの備えと連絡体制を決めます。

総務省は、「中小企業等担当者向けテレワークセキュリティの手引き(チェックリスト)」(第3版、令和4年5月)を公表しています。この手引きは、テレワークの方式を、会社支給の端末か個人所有の端末かと、VPN・リモートデスクトップ、クラウドサービス、スタンドアロン、セキュアブラウザの組み合わせで8つに分け、方式ごとの対策チェックリストを示しています。クラウドサービス方式には、タブレットやスマートフォンでアプリケーションを使ってメール等を利用する場合も含まれると説明されています。つまり、スマホのSaaSアプリの利用は、この方式の対策で確認できます。

次の表は、個人所有端末のクラウドサービス方式のチェックリストから、スマホでSaaSアプリを使う場面に関わる項目を抜き出したものです。会社支給端末のクラウドサービス方式にも、同じ分類のチェックリストがあります。

対策手引きの対策内容項目番号
許可した端末だけを使うテレワークには許可した端末のみを利用するよう周知し、端末とその利用者を把握する1-1
使うシステムと情報を把握する利用しているシステムや、取り扱う重要情報を把握する1-2
画面ロックをかける端末から離れるときは、スクリーンロックをかけるよう周知する4-2
OSとアプリを最新にするメーカーサポートが終了したOSやアプリを使わず、最新のセキュリティアップデートを適用するよう周知する5-1、5-2
アプリは公式ストアから入れるスマートフォン等にアプリをインストールするときは、公式アプリケーションストアを利用するよう周知する2-4
紛失に備えるスマートフォン等の紛失時に、端末の位置情報を検出できるようにする8-1
パスワードを強くする長く複雑なパスワードを設定するようルール化し、初期パスワードは必ず変更する9-1、9-2
連絡体制を決めるインシデントやそのおそれに備えて、対応手順と関係者への連絡体制を定め、従業員に緊急連絡先を周知する7-1

手引きは対策に優先度をつけており、上の表のうち公式ストアの利用以外は、重要性が高く実施の難易度が低い最優先の区分に入っています。個人のスマホを業務に使う場合は、1-1の「許可した端末」を決め、画面ロックと更新を従業員に周知することから始めます。項目の全文と、会社支給端末の場合の対策は、手引きの原文で確認してください。

自社のSaaSアプリの使い方をセルフチェック

次のチェックは、ここまでの内容から作った簡易的な点検で、診断や認証ではありません。当てはまる数が少なければ、今のやり方で足りる可能性があります。

SaaSアプリの使い方、今のままで大丈夫?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

SaaSアプリが増えたときの管理|利用状況の棚卸しの進め方

SaaSアプリが増えたら、サービスごとに、用途、管理担当者、利用者の範囲、扱う情報、スマホ利用の可否、契約の更新時期を一覧にして管理します。

部門ごとにSaaSアプリを入れると、会社として何をどこで使っているかがわからなくなります。IPAの手引きのチェックシートには、どの業務で利用するか明確にする、取り扱う情報の重要度を確認する、管理担当者を決める、利用者の範囲を決める、利用者の認証を厳格に行う、利用終了時のデータを確保する、といった項目があります。これらを、1つの一覧にまとめると、棚卸しの台帳として使えます。総務省の手引きの1-2も、利用しているシステムと取り扱う重要情報の把握を挙げています。

台帳の項目書くこともとになる項目
サービス名と用途どの業務で、どの部門が使うかIPA:どの業務で利用するか明確にする
扱う情報の重要度顧客情報、個人情報、社内文書など、どの情報を入れるかIPA:取り扱う情報の重要度を確認する/総務省 1-2
管理担当者設定、運用、問い合わせ対応を担当する人IPA:管理担当者を決める
利用者の範囲と権限誰にアカウントを作り、承認などの権限をどこまで与えるかIPA:利用者の範囲を決める
スマホ利用の可否アプリ版を使ってよいか、使ってよい端末はどれか総務省 1-1:許可した端末のみを利用する
認証の方法パスワードの設定ルール、初期パスワードの変更IPA:利用者の認証を厳格に行う/総務省 9-1、9-2
契約の更新時期と終了時のデータ更新日、解約の手続き、利用終了時のデータの取り出し方IPA:利用終了時のデータを確保する

台帳は、四半期に一度などの定期的な見直しの機会を決めて、使われていないアプリや、退職者のアカウントが残っていないかを確かめます。台帳づくりの頻度は自社の規模に合わせて決めてください。

SaaSアプリ導入の進め方|5つのステップ

SaaSアプリの導入は、業務と端末の整理、候補の絞り込み、公式情報の確認、無料トライアルでの確認、社内の承認と展開の5ステップで進めます。

導入の5ステップ

  1. 業務と端末を整理する:どの業務で、誰が、どの端末(パソコンのブラウザ、スマホのアプリ)で使うかを決め、扱う情報の重要度を確認します。
  2. 候補を絞る:必要な機能と使える端末で、数件に絞ります。
  3. 公式情報で確認する:前章の6つの確認項目を、サービスごとに表にします。
  4. 資料請求とトライアルで確かめる:スマホのアプリでも、通知と操作を試します。
  5. 社内で承認を得て、展開する:管理担当者、利用者の範囲、端末のルールを決めて周知し、台帳に記録します。

展開後の周知と質問の窓口を決める

契約後は、利用者への周知、使い方の質問を受ける窓口、管理担当者への連絡、スマホの紛失などのときの緊急連絡が必要になります。連絡が個人のメールや複数のメッセージアプリに分かれると、あとから確認できなくなります。SaaSアプリの数が増えるほど、連絡の窓口を決めておく意味は大きくなります。スマホからも見られる連絡の場を1か所に決める場合の一例が、Chatworkです。

Chatwork

社内外の連絡を、スマホのアプリも使って1か所に集めたい会社に

Chatworkの資料を無料でダウンロードできます

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よくある質問(FAQ)

Q1. SaaSアプリとは何ですか?

A. SaaSアプリとは、提供会社がクラウド上で動かす業務ソフトを、ブラウザやスマホのアプリから利用するサービスのことです。NISTの定義では、利用者は基盤を管理せず、アプリケーションの機能も限られた設定を除いて管理しません。契約して使うため、インストールや保守は提供会社が担います。

Q2. SaaSの代表的な例や、有名なSaaSサービスは何ですか?

A. 連絡ではMicrosoft TeamsやChatwork、申請・承認ではコラボフロー、オフィス業務ではMicrosoft 365やGoogle Workspace、顧客管理ではSalesforceなどがあります。業務の種類ごとの例は本文の表で整理しており、順位や優劣を示すものではありません。分野別の一覧は、別の記事も参考にしてください。

Q3. Office 365はSaaSですか?

A. Office 365は現在Microsoft 365という名称で、SaaSの代表例として挙げられることが多いサービスです。ただし、プランによってデスクトップ版のアプリも含まれます。2026年10月22日に確認した一般法人向けプランのページでは、Business BasicはWeb版とモバイル版のアプリで、ほかのプランはデスクトップ版も含むと紹介されていました。最新の内容は公式サイトで確認してください。

Q4. SaaSアプリは、スマホのアプリでも使えますか?

A. サービスによります。ブラウザ版だけのものも、スマホアプリ版があるものもあり、アプリ版が特定のプランにだけ含まれることもあります。たとえばChatworkにはiOS・Android向けのモバイル版アプリがあり、コラボフローのモバイルアプリはプレミアムプランの機能で、スタンダードプランではオプションです(各商品ページ)。契約の前に、使いたい機能がアプリ版で使えるかを確認してください。

Q5. スマホでSaaSアプリを使うとき、何に気をつければよいですか?

A. 総務省の手引きは、許可した端末のみを使う、画面ロックをかける、OSとアプリを最新にする、アプリは公式のアプリストアから入れる、紛失時に位置情報を検出できるようにする、長く複雑なパスワードを設定する、といった対策を挙げています。会社として端末と連絡体制のルールを決めて、従業員に周知してください。

Q6. SaaSアプリを選ぶとき、最初に何を決めればよいですか?

A. どの業務で、誰が、どの端末で使うかを最初に決めます。そのうえで、必要な機能、使える端末、ほかのサービスとの連携、事業者の信頼性、サポートと品質、契約条件とデータの扱いの6項目で、公式の情報を確認します。

まとめ|SaaSアプリを選んで使うときに押さえる5つのこと

SaaSアプリとは、提供会社が運用する業務ソフトを、ブラウザやスマホのアプリから使うサービスです。次の5つから、取り組みやすいものを選んで確認してください。

  1. 意味を押さえる:ブラウザで使う形も、スマホのアプリで使う形も、同じSaaSの使い方の違いと理解する
  2. 使える端末とプランを確認する:使いたい機能がアプリ版で使えるか、アプリが含まれるプランはどれかを、契約の前に確認する
  3. 6つの項目で選ぶ:必要な機能、使える端末、連携、事業者の信頼性、サポートと品質、契約条件とデータの扱い
  4. スマホの安全対策と台帳を整える:許可した端末、画面ロック、OSとアプリの更新、紛失時の備えを決め、使っているアプリを一覧にする
  5. 承認と連絡を仕組みに載せられるか、資料で検討する:外出先の承認や社内外の連絡を整える選択肢として、ワークフローシステムやビジネスチャットの資料を請求して比べる

なお、本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言やセキュリティの診断ではありません。個別の契約条件や情報の取扱いは、各社の公式情報や、専門家にご確認ください。

参考文献

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